生きてると、びっくりすることってありません?
なみきちはまあ、結構あるんですけどね。
びっくりしたとき、みなさんはどんな声でます?
「ええええええっ」とか「ふっぎゃああ」とかですか?
え?そんなの教えたくないですか?状況によって出る声が違うって?
なるほど、そうかもしれませんね。
まあ、あれですよ。なみきちは皆さんのびっくりした声が聴きたいわけじゃあないんです。
そんな人の悲鳴を聞きたいなんていう、悪趣味を持っているわけじゃあないんで、そこは誤解せんでくださいよ。
なみきちは普通の人ですよ、いたって普通の。あ、いや、タヌキ、フツーのタヌキですよ。
ただですね、今日ちょっとなみきちはびっくりしちゃったもんで、みんなにもびっくりするということについて考えてもらいたかったんです。
それでは今日起きた出来事を皆様にお話しいたしましょう。
今日のなみきちは商談で、JR荻窪駅の南口のあたりをあっち行ったりこっち行ったり3件ほどこなしていたわけです。
で、午前中最後のお客さんのところで、商談も終わりに近づきもうお昼という時間に、言うんですよ。
「なみきちさん、ラーメン好きですか?」って。
そりゃもう大好きですよ。だってなみきちは生粋の杉並っ子ですよ?この杉並にはラーメン激戦区の荻窪があるんですよ?
でもなみきちは冷静にね、あくまでも商談中、ビジネスですからね。
「ええ、好きですね」と冷静を装って答えましたよ。
内心ではもう「めっちゃすきでえーっす!」っていう感じで、ラオウが我が生涯に一片の悔いもなかった時くらい手を挙げて答えてましたけどもね。
「じゃあ、『らーめん 高尾』は行きました?」
実はなみきち行ったことなかったんですよね。
「あ、いや、ないですね。評判なんですか?」
とあくまでも冷静を装って聞いたんですが、そのお客さんなんともニヒルな笑いを浮かべながら、
「行ったら分かりますよ」とかゆうんですよ。
むぅ。なみきちってほら、人に言われると弱いじゃないですか。
ただでさえ、杉並マスターを自他ともに認めるなみきちが評判の、それもラーメン屋を知らないとあっちゃあほっとけませんぜ。
それだけでも癪なのに、「行ってみたら分かりますよ」って。
ああ!いいですとも!行ってみましょうとも!お客さんのステマだったとしても結構ですとも!いいですとも!
もうメテオが三回くらい落ちるんじゃないかってレベルで「いいですとも」を連発しながら向かいましたよ。
着きました着きました。おおっ、この暖簾は!見たことある。でも入ったことはない。
こちらのお店、JR荻窪駅からだと南口を出て、仲通り商店街をなみきちの足で歩いて10分くらいのところにあるんですよね。
ですから、みなさんの足ですと、4-5分ってところでしょうか。
いつも並んでいるので横目では見ていたんですが、入ったことはなかったんですよね。
でも今日は、すぐ入れそう。これはラッキー!
ということですぐに並びます。
「やってます」という立て看板がなんともかわいらしい。
待ってる間、店内を覗いてみると、なんと昼からラーメンを肴に一杯やってるおじさんが多いこと!
ぬぬうぅ!今日はなみきち、午後も商談がある。ぐぬぬ。
同時になぜかトートツに「行けば分かりますよ」と言ったあのニヒルな顔が脳裏に浮かんできて二重にぐぬぬとなっていたところで、席へ案内されます。
ふう、これで落ち着ける。
店内はこんな感じで、落ち着いていてとってもきれいです。
こちらのお店、「ら~めん 高尾」さんは2021年9月にオープンしたばかりのお店だそうですが、なんとすでに食べログTOP5000に選ばれるほどの超人気店なんだそうです。
これは期待が高まります。
そしてラーメン屋さんらしい、い~い香りが店内に漂っています。
醤油と、魚介系の出汁と動物系も入れてるのかなあ。
いいなあ、こんな空間、幸せだなあ。
ちょっとあの左手あげてる白っぽいヤツに嫉妬したのは内緒です。
…と!
渡されたメニューを二度見、いや、三度見はしましたよ!
えっ!うそ!ほんとにに??
今時、ラーメンが500円で食べられるなんて!
まじですか!?
「えっ!?えええええええええっ!!」
と、素っ頓狂な声をあげてしまいまして。
このオドロキが今日のブログの始まりにつながるわけです。
ちょっと自分でも驚くぐらいの声をあげてしまいまして、隣のビール飲んでたおっちゃんが、「どうした?」みたいな顔で、しばらくこっち見てんですよ。
その瞬間またあのニヒルが脳裏に浮かんでしまって…
確かに来たらわかりましたよ、確かに。
いいですとも!ここは感謝しておきましょうとも!こんないいお店を紹介していただけたのですから!
しかし、我ながらこんな大きな声が出てしまうとは。
失敗したなあ。
ちなみにこちらのお店の店主さん、あの超有名店「中華そば 三鷹」さんで修業されたらしいのです!
なるほど!それでこの価格!この人気ぶり!ということなんですね!
あ、ちなみになみきちは「中華そば 三鷹」さんはお邪魔したことないんですよ~。
だって三鷹市は杉並じゃないもんね。
なみきちは杉並区のタヌキですからね。
まあ、縄張りが違うんですよ。
杉並を出るとね、縄張り争いが始まっちゃうんで。タヌキの世界もキビシイんですよ。
ということでなみきちは「中華そば(500円)」と「半熟玉子(50円)」をトッピング。
いやあ、あの評判の三鷹さんの味をこの荻窪、杉並区内で味わえるなんて、すばらしいですね!
きましたー!きましたー!
おいしそうです!
いたってシンプル!これぞ東京のラーメン!もとい中華そば!
なるとの「の」の字がとってもノスタルジック!
まわりに浮いているねぎやラードの感じもとってもいいですね!
では作法にのっとりスープからいかせていただきます。
ずずっといくと…お、おおっ!こ、これは、おいしい!
塩辛くも薄くも無く、ちょうどいい塩梅、まったく角の立っていないカエシ。
スープはやはり、煮干しに鰹節の風味、そして動物系の厚みあるスープ。
ああ、これこれ!中華そばといえばこれこれ!となる味だあ。
このJR中央線界隈は戦後、蕎麦屋さんから中華そば屋さんに転身されたお店が多いんですよね。
蕎麦で使用していた鰹節や煮干しをそのままラーメンにも使うようになって、この魚介系和風スープが特徴になったそうですね。
このスープで育ったなみきちには、やっぱりノスタルジックな気分になります。
おいしい。杉並で育ち、杉並で作られたなみきちの体にはこの感じのスープ、合いますよぉ。
では麺きちのなみきち、麺も行ってみましょう。
まずはリフトアップ。
中太の若干のちぢれが見られる麺ですね。
やはりこれもノスタルジック。
ではいただきます。
ずずずずーっと啜ると、おおっ!うまいです!
麺のコシがしっかりしていますね!小麦の、穀物特有の甘味が十分感じられます。
ああ、そしてやっぱり、スープの香りとめっちゃあう!
この鰹節の香り高さ、そして動物由来の厚み、おいしい!これが500円で味わえていいんですか!?ってなります!
ああ、これは確かにビールの後、〆で食べれたら最高。
そういうおっちゃんたちが多いのが分かる!
では玉子も行きます。
このトロトロ感いいですねえ。
黄身を溶いて、スープの中に溶かし込んで、そこに麺をくぐらせていただきます!
おお!おいしい!黄身が麺にまとわりついて、濃厚になって、鰹節の香りをさらに引き立ててくれる!
おいしい!これは合いますなあ。
昔からチキンラーメンに卵を入れる食べ方があるけど、高尾さんのラーメンにもばっちり合いますね!
これはおすすめです。
しかし、さっきから「ら~めん 高尾」さんって言ってると、「高尾」さんなのか、「高尾山」なのか分かりにくくなりますね。
これもしかしたら全国の「高尾」さんたちの悩みなんじゃないでしょうか。
なみきちはあんまり聞いたことなかったですけど、山と同じ苗字の方の間では鉄板ネタだったりするんですかね。
ほかにも全国の「富士」さんとか、「筑波」さんとかもそうですよね。
これが「浅間」さんなら、ヤマだから問題ないし、「比叡」さんもザンだからいいし、「駒ヶ」さんにいたってはタケですもんね、間違う心配はないですよね。
閑話休題。
ということで目の前のラーメン、あっという間にごちそうさまです。
ではここで、恒例のなみきち四字熟語たーいむ!!
今回なみきちが「らーめん 高尾」さんに恐縮ながらつけさせていただいた四字熟語は「質優価廉(しつゆうかれん)」です。
質が優れていて、価格が安いさま。—なみきち大辞典。
もう読んで字のごとしですね。
質はすごいです。ラーメンとしてすごく楽しめます。
しかもこの東京界隈の中華そばに慣れ親しんで育った方には、一瞬にして子供時代にタイムスリップできることと思います。
そしてお値段がすばらしいです。
質も伴っているため、安かろう悪かろうには全くあてはまりません。
価格が安いということを表現するなら、「廉価」でもいいのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうは問屋が卸しませんよ。
「廉価」にしてしまうと、「廉価版」のように、価格は安いけれどその分、質が劣った商品をイメージさせてしまいますよね。
それはこの「ら~めん 高尾」さんを表現するには全くふさわしくありません。
同じ文字、同じ意味を表すにも、文字を逆転させるとどうでしょう。
「価廉」
かれん。「可憐」と同じ響きとなり、意味は伝えながらも、かわいらしさと儚さが伝わってきませんか?
店頭に置いてある「やってます」の文字や、左手を挙げてる白いヤツとか、なるとの「の」の字はまさにこのお店のかわいらしさ。
おいしいがゆえにあっという間に消えていく目の前のどんぶりの中身は「らーめん 高尾」さんの儚さというわけです。
いやあ、にしてもおいしかった。
何度も言いますけど価格もびっくりですけど、そのクォリティーがすごい。
これをこのお値段で出せるんですから、店主さんの企業努力たるやどれほどのものでしょう。
こんなお店が杉並にあるなんてすばらしいですね。
なみきちはますます郷土愛が深まりましたぞ!
本当にごちそうさまでした。ここはまた絶対きます!次はビールも一緒に楽しませてもらう予定です!あー、おいしかった。
なみきちはまた心から皆様にお勧めするお店に出会ってしまったのでした。
店舗名:ら~めん高尾
営業時間:月・火・木・金・土・日 11:00 – 14:00、17:00 – 21:00
定休日:水、第二火曜
住所:東京都杉並区荻窪5丁目9−17
URL:インスタグラム