なみきちは生粋の杉並っ子なんです。
生まれも育ちも、親もその親も杉並育ちなんですよね。
「三代続いたら江戸っ子」なんて言いますが、それでいうとなみきちは生粋の「杉並っ子」てなわけです。
というわけでここんところ、ラーメンやらお好み焼きやら濃いものが続いていましたので、久しぶりに和のものを食べたくなったわけであります。
というわけで杉並区は阿佐ヶ谷にやってまいりました。
阿佐ヶ谷にはおいしいお蕎麦屋さんがたくさんあるんですよね!
そう、今日はなみきちのお腹は蕎麦な感じなんです。
「今日は蕎麦と日本酒で、うひひ」
と気味悪く笑っていたらまたしっぽを中央線のドアに挟まれました。
よくなみきちは「タヌキじゃなくて実はアライグマなんじゃないか」って言われるんです。
ほんと失礼な話です。
でもこのしっぽの縞々を見るとしょうがないかなあなんて思うんですが、これは電車のドアに挟まれまくってたら、毛が寝てしまってこんな縞模様ができてしまっただけなんですよね。
「じゃあ電車なんか乗らなきゃいいじゃないか」って言われるかもしれませんが、なみきちは足が短いんです。
歩くと普通の人の2倍は時間がかかります。
「じゃあ自転車乗れば」なんていう人はほんと酷いです。
もうマリー・アントワネットも真っ青なくらいひどいですよ!
パンとお菓子の比じゃないんです!
人の心がないと言わざるを得ません。もうギロチンものですよ!
なみきちは悲しいことにペダルに足が届かないんです!
くっそー。
そして一番腹が立つのはタヌキと言われて怒るあの青い、どっからどう見てもタヌキのロボットです。
あのタヌキロボット、タヌキの何が嫌なんだっつーの!
と怒ってたらいい感じにお腹がすいてきました。
というわけで痛むしっぽをさすりながらやってきたのはJR阿佐ヶ谷駅北口を出て徒歩3分、なみきちの足で5分のところにある「達吉」さんです。
あ、ちなみに「阿佐ヶ谷」ってほんとは「阿佐谷」って書くんですよー、知ってました?
生粋の杉並っ子なみきちからしたら常識ですけどね。
ほんとはちょっと心配でウィキ見たのは内緒です。
阿佐谷の有名店「達吉」さんは前々から来たいと思ってたんですよねー。
なみきちと達吉で親近感もわきますし。
でもなかなかタイミングが合わず今日になってしまいました。
たどり着いたお店のたたずまいは歴史を感じる、ああ、これぞまさにお蕎麦屋さんといった感じです。
これは大いに期待がもてそうで、なみきちのお腹が「そーば!そーば!さーけ!さーけ!」の大合唱を始めました。
ランチの訪問なんですけどねえ。
ま、いっか。江戸っ子は細かいことは気にしねえのさ。
それが粋ってもんよ。
ガラッとドアを開けて店内に入るととっても愛想のいいおかみさんが出迎えてくれます。
これこれ、お店に入った時の第一印象、とっても大切ですよね。
もうウキウキになって2人掛けの席に着きます。
お店の雰囲気は落ち着いていて、16席のテーブル席が用意されています。
夜の部では豊富な一品料理と日本酒や焼酎、そして〆のお蕎麦を楽しめるそうです。
そしてこちらのお蕎麦は、「石臼挽き自家製粉を使用した手打ちそばが自慢」ということで、もうお蕎麦大好き人間の、あ、大好きタヌキの胸は高鳴りっぱなしです。
人気は鴨肉と蕎麦の組み合わせが絶品の「鴨ざる」、あとは「田舎そば」だそうです!
今回は「天ざる」を「田舎そば」に変更して注文。
なみきち、初めて来たお蕎麦屋さんでは天ぷらを食べるって決めてるんですよね!
あとランチでの訪問だったのですが、ちょっと無理を言って夜の部のメニューにある「たこわさ」と「湯葉のお刺身」もいただいちゃいました。
こういうところはずうずうしくなれるなみきちです。
そこがいいところなんです。
だってお酒のあてにね、ほしいじゃないですか。
お腹が大合唱なんですから、抗えるはずもありません。
こういう無理なお願いも笑顔で「いいですよー」とサービスしてくれる女将さん、最高です!
来ました来ました、まずはたこわさです。
お供はもちろん日本酒で。
こちらはお酒の種類も豊富で夜はさぞかし楽しいでしょうねえ。
でもみんながいそいそと働く昼から酒をちびちびやるのも乙ってもんです。
タコのぷりぷり感、そしてワサビのつんとしたすがすがしい香りが鼻孔を抜けていく。
酒の丸みを帯びた味と香りがそれをやさしく包む。
ああ、おいしい料理はなみきちを詩人にさせます。
おっ、湯葉も来ましたよ。
大豆の濃厚な香りが脳天を直撃します。
そしてこの食感も大好きなんですよね。
大豆の甘味と日本酒のまろやかな甘みがすばらしいマリアージュ。ああ、もうこれだけで幸せです。
そして!来ました来ました!これを食べに来たんです、今日は。
「天ざる田舎そば」、主役の登場です。
うわあ、おいしそう。
「じゅるり」。見た目から絶対おいしいのを確信できるやつです。
蕎麦は少し太めの色が濃い目。
粗びきのそば粉をたっぷり使用していることが一目でわかる一品。
天ぷらはエビが真ん中にデーンと王であることを主張し、ナスやピーマンなどの野菜勢、またキノコたちが脇を固めます。
こいつぁあうまいに決まっていますぜとお腹を落ち着かせ、まずはナス天を一口いただきます。
ザクッ!
ああ、これは、家でやろうとしても決して出せないこのザクザク感、幸せ。
この天ぷらの風味を口に残しながらそばを持ち上げます。
太い硬く濃い田舎そば。
持ち上げると蕎麦の素晴らしい香りが鼻孔をくすぐります。
ちょっとだけおつゆににつけて、ずるずるぅっ。
ああ、これは間違いないやつ。
蕎麦の素晴らしい香り、日本人でよかった。
そしてこのそばつゆが絶妙。
強すぎることも弱すぎることもなく、ただただ蕎麦の香りと旨味を引き立てるために作られた花嫁。
とはいってもきちんと醤油の香り、お出汁の香りと旨味が出ていて、これだけでも絶品。
そしてこのたくましく凛々しく浅黒い活力にあふれた蕎麦と日本酒でいただく。
昼に味わえる幸せでこれ以上のものがあろうか。
いやあ、めちゃめちゃおいしかったです。
そのおいしさを文字できちんと伝えられないなみきちの文才のなさ、「達吉」さん、いやいや、「達吉」様、申し訳もございません。
ぜひこのうまさは皆さんご自身の舌で確かめてください。
唸らせること間違いなしです。
というわけでお腹いっぱい、ほろ酔いのなみきちは幸せ心地でお店を後にします。
本当にごちそうさまでした!
ああ、おいしかった。今度はやっぱり夜に来てみたいな。
夜はお酒とお蕎麦を最高に楽しめそう。
でも帰りにまた電車のドアにしっぽを挟まれ幸せが半減したなみきちでした。
店舗名:達吉
営業時間:月・火・木・金・土・日 12:00 – 14:30(L.O. 14:15)、18:00 – 21:30(L.O. 21:00)
定休日:水
住所:東京都杉並区阿佐谷北2-15-4 大和阿佐谷ビル 1F
URL:公式サイト